じわじわくる面白さで話題沸騰中の“ブス(相当かわいいけど)でニートのオカマ”こと少年アヤちゃんが、幸せを探して占い体験の修行に旅立ちます。果たしてアヤちゃんは幸せになれるのでしょうか?
幸せってなんだろう…と考えた時、決まって思考が迷宮入りします。
ほんと、幸せってなんだろう?口では「幸せになりたい…」とか語尾になりそうな勢いでつぶやき、連載のタイトルにまでしつつ、実はその定義が分かっていません。おそらく行き着く処はきっと、世間的に言われる華やかなソレではなく、至って素朴な、「自分にとっての幸せ」になるのでしょうが、そんなこと言ったら本気で「アイドルがいればそれで幸せ♡」等と思いかねない自分がいて、確かにそれでも充分幸せではあるのですが、けど、けど……ねえ。それでいいのか?と、どうしても思ってしまうわけですよ……。
というわけで今回は、人間の行動パターンを科学的に分析する恋愛科学カウンセラーの荒牧佳代先生に、処女として、オカマとして、またアイドルオタクとして、今後どういった方向で幸せになって行けば良いのかを伺ってみることにしました。
当日現場に現れた先生は、イメージしていた姿と違い、びっくりするほど可憐でキュートな雰囲気。声もまるで少女のように澄んでいて、アニメキャラになっても通用しそうなキャラクター性…かと思えば、成人済みのお子さんがいるとか普通におっしゃっていて、明らかにただ者ではない雰囲気に圧倒されました。もはや私なんかのことより先生について聞きたくてたまりませんでしたが、ここはそういうアレじゃないので大人しくカウンセリングを受けさせて頂きます。
----先生、よろしくお願いします!
「ではまず、オカマであるという事について。なにか悩まれたりしたことはありますか?」
----オカマである、という事自体で悩んだことはほとんどないんです。人並みの幸せまで遠い代わりに、オカマの特権をフル行使しながら生きているので、むしろその快感の方が勝っていたりして…
「お強いんですね。」
----ただ父親がどうしても、そういった現実を受け止められないタイプというか、「息子」として私を見ようとしすぎるところがあり、そういった環境には結構悩まされましたね。
「なるほど。その葛藤はお父さまご自身が克服しなければならない課題でもあるんですが・・・。ちなみにお母さまは?」
----母親とは、そんな父親のおかげもあり、すごく団結力が高くて。ただ、それで母親と仲良くしていると、また父親が不機嫌になるんです。本当、子供みたいにムスーーッと。
「それは一般的には、『エディプスコンプレックス』(※)と言って、母親を父親に独占された息子が抱くものなんですけど、アヤちゃんの場合はなぜか、お父さまの方がそれになってしまってるみたいですね。これは珍しい!
つまり、お父さまより完全にアヤちゃんの方が幸せな状態になってるんですよ。」
えっ、私が、幸せ!?一体どういう意味なんでしょう先生!
「はい。というのもお話を聞く限り、アヤちゃんはオカマという持って生まれた天性を受け入れ、更に楽しんですらいますよね。普通の方は、そういった自我の確立に物凄く時間がかかったり、その末に間違った自分探しをしたりしてしまうものなんです。実際、お父さまもまだその途中なんでしょう。自我の受け入れや悟りがあやふやな方は、他者の存在を受け入れる器も成熟されていないんですよ。だから、ありのままの自分を受け入れ、お父さままで大きく受け入れようとしているアヤちゃんがまぶしくてたまらず、おまけに妻まで取られたと思い込み、つい言われの無い攻撃をしてしまう…。
だから、そんなお父さまよりはアヤちゃんの方が幸せだという言い方が出来るんです。」
なるほど…十数年悩まされていた親子関係が、先生の一言でスッと整理されました。しかし疑問を感じたのは、「オカマであるという現実を受け入れている」という点です。受け入れて…いるのか?実感としては「諦めている」という感じなんですが…。せっかくなので、そのまま先生に聞いてみました。
「はい。それは『諦め』ではなく精神的な自我の満たされであり『悟り』です。ありのままのご自分を素直に受け入れているということになるんですよ。普通は生きているだけで『欲』にまみれるものなんですけどね。」
----なるほど!
「先程も言いましたが、この『受け入れる』というのは本当に大変な作業なんです。だから、サラッとそれをこなしているアヤちゃんは本当に今幸せなはずだし、なにより強い。もはや最強と言ってもいい。」
----え~!強いって可愛いくな~い(泣)
「なので、恋愛出来ないというのは、アヤちゃんが悪いんじゃなくて、単にアヤちゃんのレベルに見合った男性がいないという事なんでしょう。」
----えっ!!!
自分の中に全く無い発想でした。というかこんな発想を自分からしていたら相当やばい気が…。
色々と衝撃を受ける私に、先生は更に(ロリ声で)こう続けました。
「アヤちゃんと釣り合う男性なんて、この世にそうそう存在しません!」
----やだ~~っ!それは言い過ぎじゃないですか?
「いえっ!アヤちゃんは、本当に、自分なりの頂点をもうすでに極めていて素晴らしすぎるんです!!!」
----や、やめて~~~っ!!!!!
死ぬかと思いました。
「それに、アヤちゃんの方も、実はそこまで恋愛を必要としていない感じがしますが、どうですか?」
----ひ、必要ですよ!必要!実際、欲しすぎて変に媚びたうえ貢ぎまくってしまったり、鬼のようにメールを送ってしまったり、色々詮索してしまったり…
「それは単に、そうすることで自分の中に生まれる快感に酔っているだけで、相手の男性に執着しているわけではないのでは?」
----うわ…それは、まさにそうかもしれません…過去の愚行の数々がものすごくしっくり来ました…
「要するに自分が大好きなんですよね!」
----全ては自己愛…うそ、やだ…すごく恥ずかしくないですか?それ…
「いえ、決して単にナルシストというわけでなく、自分を受け入れ、自分を愛し、自分以外の人にも愛を与えて生きて行くパワーがものすごくあるということです。この軸は絶対にブレません。寂しさを感じることがあるとしたら、世間の人とあまりにも違いすぎるので、そのズレがちょっと寂しいなー、くらいの小さなもの。」
----なんか珍獣…みたいな…
「うん!けど良い珍獣ですよ。ですので、世間一般に言う幸せなんてものに縛られる必要が全くありません。アヤちゃんが、アイドルを追っているのが幸せだと言ったらもうそれが幸せなんですよ。」
----そんなこと言われたら、ますますエンジンがかかってしまいますよ!
「それで良いんです。その調子でどんどん己の道を行ってください!」
----分かりました。これが私の幸せなんですもんね…。
鑑定後、ものすごいショックを受けて、逆にハイになっている自分を渋谷の雑踏に見ました。そのショックの内訳は主に、
「そっか…私、強いんだ…」
と、
「なんだかんだ、そんな自分が好きなんだ…」
と、
「その結果、もはや男とかいらなくなってるんだ…」
の3つです。荒牧先生はこんな私を「素晴らしい」とおっしゃってくださいましたが、こうして並べてみると私って、かなりまずい人間なんじゃ…という気がしていて、どうでしょう?明らかにやばいよね。男どころか友達までいない理由がやっと分かりました。
しかし、「実は恋愛とか必要としていないのでは?」という指摘はまさにそうで、本当はここ最近、「男がほしい~~☆」とか言いつつ、どこかドライな気持ちになっている自分に気が付いていたのでした。だって、本当にアイドルがいればそれで良いんだもん。それが幸せなんだもん。
なので先生の仰る通り、これからも、気の趣くままに、アイドル街道を突き進んで行こうと思います。今回のカウンセリングは、そのGOサインを得たことが最大の収穫でしょう。だったらもう、「かわいそう」なんて言われても気にしないわ。本当だよ。
おまけ画像
沖縄から来たイケメン風水師シウマ先生がアヤちゃんを占います!
数字を使った開運術でアヤちゃんの運は開けるのか!?
>>少年アヤちゃんの「“できれば”幸せになりたい」目次ページへ
こちらもおすすめ