2012.10.10

「呪いの苗字詐欺」【実録!詐欺占い師】ファイル4

Loading
実録!詐欺占い師ファイル

占い=迷ったときにそっと背中を押してくれる心強い味方!のはずですが、世の中には人の弱みにつけ込んで金を巻き上げる悪徳占い師も存在します。そんな業界の裏も表も知り尽くした占いバーの店員・蔵石が「二度とだまされないで」という願いを込めて、巷にはびこる詐欺占い師の実態を暴いていきます。

義務教育程度の知識さえ欠落した卑劣な占い師にご注意なさいませ

ファイル4 呪いの苗字詐欺

結婚してから、とんとご無沙汰だったKさんというお客様が、先日どんよりした空気をまとってご来店くださいました。お子さんができたという噂も聞いており、幸せの絶頂の中にいるはずなのにこの表情。いったい何があったのでしょうか。

「みかりちゃん、名前って大事だよね?」そんな唐突な質問からはじまり、Kさんは沈んでいる原因を少しずつ話し始めたのでございます。

「もうすぐ子どもが生まれてくるから、ずっと名前を考えててね。いくつか子どもの名前を持って占い師のところに行ったんだ。そしたら名前よりも苗字に問題があるって言われてね。14代前の先祖がこの名前に呪いを込めたから、嫁と子どもが3年以内に死ぬって言われたんだよ。俺もうどうしたら良いんだろう。俺のせいで大好きな嫁が死んじゃうなんて。生まれてくる子どもも……。嫁の実家に頼んで婿養子になって名前を変えれば良いのかな。どう思う?」

呪いの苗字詐欺が被害者に呪いをかけている

なんて恐ろしい話なのでしょうか。自分の苗字のせいで最愛の人が死に至るなんて……。あまりに切ないお話に、胸が痛くなったのですけれど、ふいにわたしは数年前のある出来事を思い出したのでございます。
Kさん、ちょっと待ってください。何年か前に実家から送ってきたと、おいしいお米を分けてくださいませんでしたっけ……??

そう聞くと「ああ、そんなこともあったね」とKさんはどうでも良さそうに返事なさいました。いやいや、お待ちください。大事なところです。
ご実家は農家ではないですか? 
そうだよ。うちは代々農家だけど? 

苗字というのは明治時代に入った時に一般の人たちも持てるようになったもの。それまでは武家など、一部の人にしか認められていないシステムでした。つまり、農業をなさっていたKさんのご先祖様には、明治時代まで苗字なんてなかったはず。14代も前になれば、当然のことながら明治時代よりももっと前。

そんな歴史的なお話を少しすると、Kさんは「それ俺も中学で習った!」と表情を一変させました。「じゃあ、嫁も子どもも死なないの?」
ええ、もちろんでございます。
笑顔でお答えすると、Kさんはスキップでもしそうなほど軽い足取りで、急いでご自宅に帰って行かれました。

人は強迫じみたことを言われて不安になると、まともな思考ができなくなるものでございます。今回のKさんも、冷静になって考える余裕さえあれば自分で気づけたことではないかと思いました。それにしても14代前の祖先だなんて、いったいいつの時代の方のつもりだったのでしょう。インチキ占い師には学もないようでございます……。

冷静に考えれば、誰もが知ってる知識で回避できる詐欺は多々あるのでございます。

実録!詐欺占い師 目次ページへ >>

蔵石美佳理(くらいしみかり)
クリスティーナ・リッチと同い年。巫女バイト、劇団員、愛人、ペット探偵を経て占いバーに勤務。占い師の体験談やお客様本人の悲喜こもごものエピソード、関係者からの阿鼻叫喚の裏情報に日々耳を傾けている。趣味は古地図コレクション、ハーブ栽培、そして占い。幼少時の夢は探偵で、好みのタイプは『謎解きはディナーのあとで』の執事・影山。

 【PR】 

この記事の関連キーワード

【PR】

今日の恋愛予報 12星座ランキング

ランキング

人気のキーワード

  • 石井ゆかり 2017年下半期の占い
  • LINE@
  • 恋愛酒場“泣きっ面にヒロシ”
  • 石井ゆかり 12星座別今週の占い
  • 誕生日占いパレット
  • 相性占い特集
  • タロット占い特集