パワースポットVS.私【女はみんな占いがお好き】第14回

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【女はみんな占いがお好き】

恋愛、仕事、女としての自分をこじらせ、人生に行き詰まっては占いに駆け込む生活を続けてはや五年。自伝的エッセイ『女子をこじらせて』が話題の雨宮まみが、女子と占いの「ほど良い付き合い方」を考えます!

第14回 パワースポットVS.私

ちょっとした用事で、島根県に行くことになりました。島根……行ったことのない土地だから楽しそうだとはいえ、いったい何があるのか見当もつかない、と友達にこぼしたところ、即座にこう言い返されました。

「出雲大社!!!」

そうです。島根と言えば、日本最大級のパワースポット、出雲大社じゃないですか!しかも今年は60年ぶりに御本殿の修理が終わり、ご神体が新しくなった本殿にお戻りになられたという「平成の大遷宮」と呼ばれるミラクルイヤー。こんなときに行くことになるなんて、まさに運命……?もしかして私、出雲に呼ばれてる!?なんか出雲、縁結びとかも超強力らしいじゃないッスか~!と一気にテンションは充電率に例えるならば電池マーク満タン程度に高まり、私は喜び勇んで航空券とホテルの手配をしたのでした。

そして迎えた島根上陸当日。「出雲縁結び空港」という、スピ好き女を一網打尽にしようという魂胆が隠れもしてないこっぱずかしい名前の空港に降り立ち、携帯の電源を入れたところ、留守電が入っていました。

「えー、○○です。昨日打ち合わせした件ですが、大変申し訳ないのですが……」
え?何?ちょっと風の音がうるさくて……と旅の女を気取ってみても、電話の相手は昨日打ち合わせしたばかりの、かなり大口のお仕事を依頼してくれた方。「申し訳ない」が聞こえた時点でヤバい話であることは間違いありません。

早速メールを確認すると、諸事情により仕事の話が要するにその、立ち消えになって大変申し訳ないという謝罪のメールが届いていました。なんなんですかこれ。先方に罪はないですけど、ここ日本最大級のパワースポット出雲なんですよ!?到着したとたん、見計らったようなタイミングでまさかこんな不運を絵に描いたような出来事が起きるなんて……。出雲VS.私の勝負、私の不運の完全勝利です。その日は地元のいい感じのバーで飲んで即座にふて寝しました。

翌日、もちろん目指すのは出雲大社です。本当は八重垣神社とか、出雲大社のほかにもさまざまな神社や名所があり、堀川を舟でぐるっと回る堀川めぐり、宍道湖の遊覧船や温泉など、魅力的なスポットが山ほどあったのですが、悲しいことに一泊二日……泣く泣く出雲へ直行しました。こんだけすべてを捨てて向かうからには、いろいろ叶えてくれんだろーな!出雲大社!

と、ケンカ腰で向かった出雲大社ですが、さすがこう、パワースポットと呼ばれるだけのことはある、素人目でも最高に気持ちの良い場所で、秋晴れの中、青空と緑のコントラストを眺めながら参拝していると、本当にありがたい気持ちでいっぱいになり、「誰でもいいから手頃な男を私に配給してください」とお願いするのをすっかり忘れて「戦争とか起こらず、みんなが幸せに暮らせますように……」とか、いくら神様でも叶えようのない漠然とした願いを心の中で唱える始末です。

友達のぶんの縁結びや厄よけなどを入手したあと、参道を散歩していると、昔ながらのメガネ屋さんの中に妙にモダンな柄のハンカチが置いてあるのを見つけました。入ってみると、品のいい女主人のおばさまが出迎えてくれ、「これはねぇ、地元のデザイナーさんがデザインしているものなんですよ」と丁寧に説明して下さいました。ハンカチを選びながら、どこから来たのかとか、今からどこへ行くのかなどの世間話になり、私が「地元の焼きものを記念に欲しいなと思ってるんですが、近くで買えるところはあります?」と聞いてみると、このあたりでは出西窯(しゅっさいがま)が有名で、点数は少ないけれど近所に置いてあるお店があるとのこと。「うちにもあるのよ」と、その出西窯のコーヒーカップでコーヒーをいれてくれ、地元名物の生姜糖、そしてさらに地元名物の梨まで出してもてなしてくれたのです。ハンカチ一枚買っただけで……。

実際に手に取ってみた出西窯の焼きものは、深い藍色が美しく、「本来はこのブルーが特徴なんだけど、最近は白いのもあって、白もいいのよ」と見せていただいた白も、柔らかみのある色で良い感じです。私はメガネ屋さんを辞すると、早速教えてもらったお店に駆け込み、白い中皿とマグカップ、藍色の小皿をふたつ、そして生姜糖を買いました。

それらは実際に、とても気に入ったし、いいものだったのですが、それ以上にあのメガネ屋さんがあのように丁寧に説明し、どんなものか教えて下さったからこそ、こんなに思い出深く、好きなものになったのだと感じました。

縁結びの効果のほどはこれから……と思っていたら、メガネ屋さんでお茶している最中に、おばさまの息子さんが犬の散歩から帰ってきて少し話したことを思い出し、「もしや、あれが良縁だったのでは!?」と、早速良縁を逃してしまったかもしれない予感に打ち震えています。来るそうそうに起きた不運については、出雲大社は縁結びにご利益があると同時に、悪縁を断ち切ることでも有名だそうなので、不運はここできっぱり断ち切れたと信じようと思います。

というわけで、効果のほどはまだわかりませんが、短時間でもとても楽しく、良い旅になりました。心が充電されたような、しみじみと満たされた気持ちです……。みなさんも人生に迷ったら出雲へ!

出雲での戦利品の出西窯の食器と、出雲大社の魔除けのお守り『獅子頭』

出雲での戦利品の出西窯の食器と、出雲大社の魔除けのお守り『獅子頭』

>>第13回 「直感、ありますか?」はこちら

雨宮まみ
雨宮まみ(あまみやまみ)
ライター。アダルト雑誌の編集を経て、フリーライターに。エロ、AVなどのジャンルから、女子の自意識問題や生きづらさなどについて、幅広く執筆中。雑誌『POPEYE』『音楽と人』などでコラムを連載中。webでの連載は『AV監督への33の質問』『ずっと独身でいるつもり?』など。
著書に、2013年ユーキャン新語・流行語大賞候補語「こじらせ女子」の語源となる『女子をこじらせて』のほか、『だって女子だもん!!』(ともにポット出版)

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