2013.02.28

アドレス帳のアセンション【女はみんな占いがお好き】第7回

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【女はみんな占いがお好き】

恋愛、仕事、女としての自分をこじらせ、人生に行き詰まっては占いに駆け込む生活を続けてはや五年。自伝的エッセイ『女子をこじらせて』が話題の雨宮まみが、女子と占いの「ほど良い付き合い方」を考えます!

第7回「アドレス帳のアセンション」

『ゼロ・ダーク・サーティ』という映画があります。CIAの女性が、ウサマ・ビン・ラディンの行方を追い、その居場所を突き止めるという、実話をもとにしたものすごい緊張感のある映画です。
私はそれを観に行き、上映前にiPhoneの電源を切りました。そして、大変ショッキングな映像体験を終えて、映画館の外で電源を入れました。
すると、なんと、iPhoneの「連絡先」が、いきなり全部消えていました。
真っ白です。タッチパネルなのに、どこを触っても何も動かないしもちろん電話などかかりようもない……。こんなことがあるのでしょうか。一瞬「CIAの陰謀か……」と思いたくもなりましたが、母親と弟ぐらいしか通話してないこの電話を、CIAが危険視するはずもありません。

そのとき、ふと思ったのです。
もしかして、これがアセンション……!?」
スピリチュアル好きのみなさんなら、昨年の12月、「マヤ歴の終わりの時期にアセンションが起こる」と言われていたのをご存知ですよね。「マヤ歴の終わりに人類が滅びる」とも言われていて、「高次元の存在へ上昇できた者だけが生き残れる(=アセンション)」みたいな感じの噂がヒソヒソ囁かれていた記憶があります。
なにか、よくわからない力により、私のiPhoneの連絡先にマヤ歴の終わりみたいなことが起こり、連絡先の誰もがアセンションできずに消滅、そしてLINEに登録してあった人だけが残った……。そんなストーリーが一瞬頭の中を駆け巡りました。

まぁ、もちろんそんなわけはないのですが、機械のことがよくわからずバックアップとかもした覚えがない連絡先が真っ白に消えてしまい、本当なら困りに困るはずの状況で、私はなぜか笑いが止まらなくなりました。
だって、連絡先をタップすると、真っ白い画面が出て「連絡先なし」って表示されてるんですよ? 連絡先ないんですよ、携帯電話なのに。ないんだ、連絡先! って思うと、なぜかもう面白くてたまらず、「電話なのに、いまこの世でもっともハイスペックな部類に入るスマートフォンを持ってるのに、電話番号わかんないからどこにも電話できない」と思うともう……やっぱり笑いが止まらず、必死で笑いをこらえて震えが来る始末です。

断捨離とか、『人生がときめく片づけの魔法』とか、「捨てるべきものを捨ててスッキリすると運気も上がる!」という考え方はとても支持されています。それは「実際にいろいろ捨てたらスッキリした!」という人が多いから、というよりは、「捨てられたらスッキリするんだろうなぁ……」と考えている、「なかなか捨てられない人」が多いからではないか、と私は思います。
自分の意志でジャンジャンバリバリ捨てられるのだったら、捨てるためにどうすればいいか書いてある本を買わなくてもいいし、買うより前にさっさと捨ててると思うのです。
私は、ものに関しては、けっこう気前良く捨てまくれるほうなのですが、人間関係のしがらみは、やはりなかなか捨て去れないもので、スッキリできないモヤモヤがそのあたりに気づかないうちにたまっていたようです。

連絡先が全部消えて真っ白になった瞬間、私は困ったと思うより先に、ものすごくスッキリして、ゲラゲラ笑ってしまったのです。
ものを捨てるとスッキリするのは、自分の持ち物が、自分の一部を形作っているからではないでしょうか。ものを捨てることで、自分のだめなところやイヤなところ、だらしないところなんかも全部一気に捨てたような気持ちになれるから、ものが減って部屋がキレイになっただけではなく、気持ちの面でも何かスッキリする作用があるのではないかと思います。
人の連絡先が全部消えれば、いろんな未練やしがらみからも全部解放されて、シンプルな人間関係が構築し直せるのでは……と、考えると、ちょっとだけ楽しみなような気持ちになったのも事実です。
もちろん、連絡を取りたい友達には電話やメール以外でも連絡を取る方法がある、という安心感があってこそのスッキリ感だったと思いますが、世界中だいたいどこにいても電話やメールがつながってしまう今の世の中で、「連絡先が全部消える」以外に、誰にも連絡を取れない状況なんてほとんどありません。
都会で遭難したみたいな面白さを、私はそのとき味わったのでした。

>>第6回「占いのショックは占いで癒す!?」はこちら

雨宮まみ
雨宮まみ(あまみやまみ)
ライター。アダルト雑誌の編集を経て、フリーライターに。エロ、AVなどのジャンルから、女子の自意識問題や生きづらさなどについて、幅広く執筆中。雑誌『POPEYE』『音楽と人』などでコラムを連載中。webでの連載は『AV監督への33の質問』『ずっと独身でいるつもり?』など。
著書に、2013年ユーキャン新語・流行語大賞候補語「こじらせ女子」の語源となる『女子をこじらせて』のほか、『だって女子だもん!!』(ともにポット出版)

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